31 August 2005

ブラジル日本移民史料館

「Sao Pauloにはなんで日本人が多いの?」と頻繁に聞かれる。
どうやら、私の周辺ではブラジルへ渡った日本人移民のことを知らない人が多いようだ。

私はSao Pauloに行くことが決まる前から、ずっとブラジルの日本人移民のことについて知りたくて仕方がなかった。
そこで、LiberdadeにあるMuseo Historico da Imigracao Japonesa no Brasil-ブラジル日本移民史料館-へ足を運んだ。
1895年のブラジル・日本の国交樹立から、多くの日本人が海を越えてブラジルの地へ渡った。
当初はコーヒー景気で湧いていたブラジルのコーヒー農園で働くために、そして時代とともに開拓・農業開発の厳しい生活の時期を超え、ブラジル繁栄の原動力となった。
史料館ではこれら各時代の日本人移民の生活の移り変わり、足跡を様々な形で展示してある。
途中で、一言では言い尽くせない気持ちになった。日系移民の苦労と努力がそこには詰まっている…。
船で2ヶ月もかけて異国の地へ移り、言葉も文化も何もかもが新しい、違う地での生活…。
そして、日系3・4世の時代…。

この史料館では日系職員のおじいさんが、私の姿を見ると(ちなみにお客さんは私一人だった。)大きな笑顔で「まぁ〜日本から来たの?よ〜来てくれたね〜。」と、腕をギューと握りしめ、とても嬉しそうに迎えてくれた。しきりに「よ〜来てくれたね、よ〜来てくれたね…」と言ってくれて、私まで嬉しくなった。
帰りも「またブラジルに来たら、ここに寄ってね…。本当に来てくれてありがとね。」と。
私自身も日本の外で暮らす1人…。このおじいさんの気持ちが痛いほど分かる…。

史料館を後にした私の手には、このおじいさんの大きながっちりした手のぬくもりがいつまでも残っていた。

ブラジル日本移民史料館
MUSEU HISTORICO DA IMIGRACAO JAPONESA NO BRASIL

Rua Sao Joaquim, 381
Liberdade

ブラジルに本文化協会ビル内
7階〜9階

開館時間:火曜〜日曜 13時30分から17時30分
     

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